Q1 診療情報提供料(Ⅰ)と診療情報提供料(Ⅲ)の違いは何か。
A1 診療情報提供料(Ⅰ)は、「別の保険医療機関での診療の必要を認め、患者の紹介を行った場合」に算定し、診療情報提供料(Ⅲ)は、「紹介元の保険医療機関からの求めに応じ、患者の診療状況を示す文書を提供した場合」等に算定する。
Q2 どのような場合に算定できるのか。
A2 継続的に診療を行う以下の患者に対し、紹介元の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合、初診料を算定する日以外の日に、提供する保険医療機関ごと3ヵ月に1回に限り算定できる。
ア 地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る)のいずれかを届け出ている保険医療機関(以下、かかりつけ医機能を有する保険医療機関)から紹介され患者
イ 他の保険医療機関から、上記アの保険医療機関に紹介された患者
ウ 他の医療機関から紹介された妊娠中の患者
Q3 機能強化加算の届出を行った保険医療機関も上記回答アのかかりつけ医機能を有する保険医療機関に該当するか。
A3 該当する。
Q4 妊娠中の患者について、頻回の情報提供の必要を認めた場合であっても、上記の回答にしたがって算定するのか。
A4 継続的に診療を行う以下の妊娠中の患者で、診療に基づき、頻回の情報提供の必要を認め、紹介元の保険医療機関に情報提供を行った場合は、上記の回答に係らず、月1回に限り算定する。
①産科又は産婦人科医療機関から他の保険医療機関に紹介された妊娠中の患者
②他の医療機関から産科又は産婦人科医療機関に紹介された妊娠中の患者
Q5 初診料を算定する日であっても算定できるのか。
A5 原則算定できない。ただし、次回自院に受診する日の予約を行った場合は、初診料を算定する日であっても算定できる。なおこの場合、次回受診時に予約に基づく診療による特別の料金は徴収できない。 また、妊娠中の患者で、診療に基づき、頻回の情報提供の必要を認めた場合は、初診料を算定する日であっても算定できる。
Q6 予約した次回受診日に患者が受診しなかった場合又は予約した次回受診日を変更した場合につても、算定可能か。
A6 算定可能。
Q7 診療状況を示す文書は、患者又は紹介元のどの保険医療機関に交付するとされているが、どのような内容を記載するのか。
A7 以下の内容を記載する。また交付した文書の写しをカルテに添付する。
ア 患者の指名、生年月日、連絡先
イ 診療情報の提供先保険医療機関名
ウ 診療の方針、患者への指導内容、検査結果、投薬内用その他の診療状況の内容
エ 診療情報を提供する保険医療機関名及び担当医師
Q8 紹介元の保険医療機関が、かかりつけ医機能を有する保険医療機関であるかどうかは、必要に応じて確認するとされているが、どのように確認するのか。
A8 紹介元の保険医療機関からの診療情報提供書(別紙様式11の2)の「以下の診療報酬項目の届出の届出状況」のチェック欄への記載又は紹介元の保険医療機関に直接照会するなどで確認する。
Q9 紹介元の保険医療機関に対して、単に受診した旨を記載した文書を提供した場合には算定できないか。
A9 単に受診した旨のみを記載した文書を提供した場合は算定不可。
Q10 紹介された患者が、紹介元の保険医療機関への受診する予定が明らかにない場合についても、算定可能か。
A10 算定不可。
Q 11 特別の関係にある保険医療機関に情報提供が行われた場合であっても、算定できるか。
A11 算定できない。
Q12 同一の患者に対して、同一の保険医療機関に対して総会を行い、診療情報提供料(Ⅰ)を算定した月に診療情報提供料(Ⅲ)を別に算定できるか。
A 12 算定できない。
Q13 算定する保険医療機関は敷地内禁煙を満たす必要があるか。
A 13 必要がある。なお、緩和ケア病棟入院料、精神病棟入院基本料等を算定している病棟を有する場合で、要件を満たせば健康増進法における「特定屋外喫煙所」を設置することができる。
〈かかりつけ医機能を有する保険医療機関から患者の紹介を受けた保険医療機関が診療状況を提供した場合〉
Q 14 かかりつけ医機能を有する保険医療機関が診療している糖尿病患者について、眼科医療機関に対して紹介があり、眼科医療機関で糖尿病性網膜症の診療を開始し、かかりつけ医機能を有する保険医療機関からの求めに応じ、当該患者に関する診療状況を示す文書を提供した場合は、眼科医療機関において、診療情報提供料(Ⅲ)が算定できるか。
A14 算定できる。
〈他の保険医療機関から患者の紹介を受けたかかりつけ医機能を有する保険医療機関が診療状況を提供した場合〉
Q15 内科医療機関で診療している高血圧症の患者について、かかりつけ医機能を有する保険医療機関に対して紹介があり、かかりつけ医機能を有する保険医療機関で冠動脈疾患の診療を開始し、内科医療機関の求めに応じ、当該患者に関する診療状況を示す文書を提供した場合は、かかりつけ医機能を有する保険医療機関において、診療情報提供料(Ⅲ)を算定できるか。
A15 算定できる。
〈他の保険医療機関から妊娠中の患者の紹介を受けた保険医療機関が診療状況を提供した場合〉
Q16 妊娠中に患者に対しては、かかりつけ医機能を有する保険医療機関、産科又は産婦人科医療機関、歯科医療機関など、標榜診療科に係らず、他の保険医療機関から紹介された場合は、算定対象となるのか。
A16 算定対象となる。
Q17 妊娠中の患者について、産婦人科医療機関から内科医療機関に対して紹介があり、内科医療機関で妊娠糖尿病の診療を開始し、産婦人科医療機関の求めに応じ、当該患者の損料状況を示す文書を提供した場合、内科医療機関において、診療情報提供料(Ⅲ)を算定できるか。
A17 算定できる。
〈産科又は産婦人科医療機関から紹介された妊娠中の患者、産科又は産婦人科医療機関に紹介された妊娠中の患者で診療に基づき、頻回に情報提供の必要を認めた場合〉
Q18 妊娠中の患者について、頻回の情報提供の必要を認めた場合には、産科若しくは産婦人科医療機関、又は他の医療機関(医科又は歯科)において、診療に基づき、紹介元の保険医療機関に対して情報提供すれば、1ヵ月に1回、診療情報提供料(Ⅲ)を算定できるか。
A18 算定できる。ただし、妊娠中の患者を受ける側の保険医療機関は、産科若しくは産婦人科の担当医、又は妊娠中の患者の診療に係る適切な研修を修了した医師を配置することが望ましいとされている。
Q19 上記回答の妊娠中の患者の診療に係る適切な研修とは、どのような要件を満たすものをいうのか。
A19 都道府県又は医療関係団体が主催する研修であり、研修には以下の内容を含むものをいう。
ア 妊娠前後及び産後の生理的変化と検査値異常
イ 妊娠している者の診察時の注意点
ウ 妊娠している者に頻度の高い合併症や診断が困難な疾患
エ 妊娠している者に対する画像検査(エックス線撮影やコンピューター断層撮影)の可否の判断
オ 胎児への影響に配慮した薬剤の選択
Q20 頻回の情報提供とは、1ヵ月に1回以上の情報提供が行われるという理解でよいか。
A 20 よい。
Q21 診療に基づき、頻回の情報提供の必要を認めた場合は、初診料を算定する日であっても算定できるか。
A21 算定できる。
〈歯科医療機関から紹介又は照会を受けた場合の算定事例〉
Q22 歯科医療機関が他の保険医療機関での診療の必要を認めて患者を紹介し、かかりつけ医機能を有する保険医療機関で診療を開始して、歯科医療機関の求めに応じ、当該患者に関する診療状況を示す文書を提供した場合は、かかりつけ医機能を有する保険医療機関において、診療情報提供料(Ⅲ)を算定できるか。
A 22 算定できる。
Q23 歯科医療機関が抜歯治療を行うにあたり、かかりつけ医機能を有する保険医療機関に対して、当該患者の検査結果や投薬内容等の診療情報について提供を求めて照会を行った上で、診療情報連携共有料を算定し、かかりつけ医機能を有する保険医療機関が当該内容等の情報提供を行った場合は、診療情報提連携共有料で算定するのか。それとも診療情報提供料(Ⅲ)で算定するのか。
A23 診療情報連携共有料で算定する。
〈その他の算定事例〉
Q24 小児かかりつけ診療料の届出保険医療機関から、地域包括診療加算の届出保険医療機関に対しての患者の紹介があり、地域包括診療加算の届出保険医療機関において要件を満たせば診療情報提供料(Ⅲ)を算定できるか。
A24 算定できる。
Q25 かかりつけ医機能を有する保険医療機関から、入院医療機関に対して患者紹介があり、入院医療機関において要件を満たせば、診療情報提供料(Ⅲ)を算定できるか。
A 25 算定できる。
Q26 レセプトの「摘要」欄に記載が求められているものはあるか。
A 26 妊娠中の患者の場合、当該患者が妊娠いている者である旨を記載する。
【全国保険医団体連合会資料より】
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